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2006年09月19日 民法入門22 「復代理ってなに?」

代理 復代理 ―民法入門22―
「復代理ってなに?」

みなさん、こんにちは。
今回のテーマは、「復代理」です。「復」という文字が付くだけで随分イメージのわきにくい言葉になってしまいましたが、代理とはどのように異なるのかなどを踏まえながら説明していきたいと思います。

1.少しだけ代理を復習しましょう。

代理の説明をするときには、①本人・②代理人・③相手方の3人の登場人物が必要となります。
ここで、読者の皆さん(本人)は、所有している不動産を売却したいと考え筆者(代理人)に買手を探して売ってくださいと依頼をしたとし、その依頼を受けた筆者は、買主(相手方)を見つけ無事に売買が成立した場合を考えてください。
この場合、代理人が本人のために不動産を売却した結果、本人から相手方へ不動産の所有権が直接移転したことになります。このように、代理人が与えられた権限を行使することによって、その利益を直接本人に還元できる構造を『代理』といいます。

2.復代理ってなに?

先程の例では筆者は、無事に皆さんの要望に答え買主を見つけることが出来ましたが、もし筆者が長期入院することになり代理人としての任務を途中で果たせなくなった場合を考えてください。
この時、代理人である筆者は皆さんに「この後は、私の知り合いであるAに私の代わりとして手続をさせてもよろしいでしょうか?」、とお伺いをたてることになるでしょう。そして、この場合のAを復代理人と呼びます。ここで、注意して頂きたい事があります。それは、この場合のA(復代理人)は、皆さん(本人)の代理人であって筆者(代理人)の代理人ではない、ということです。つまり、復代理人としては本人から選任されたのではなくても本人のために行動し、その利益は直接本人に還元されることになります。
ひょっとしたら「復代理人なんてややこしい人を選任しなくても、単に別の代理人を選任すればすむんじゃないの?」って思いませんでしたか?
もちろんそのような方法をとることも可能ですが、本人としては別の代理人を探すよりも、代理人を残しておいてその代理人の責任で復代理人を選任したほうがメリットが大きいことになります。要するに何か問題があったときは、代理人に対して「あんな復代理人を選任したあんたが悪い!!」と文句を言うことが出来るので都合がいいんですね。

3.もともとの代理人はどうなるの?

2.の例では代理人は任務を続行することが困難な状況を想定していましたが、実は本人の許諾さえ得ていれば代理人の状況に関係なく復代理人を選任することが出来ます。例えば代理人が見つけた買主が遠方にお住まいの場合、現地で復代理人を選任したほうが短時間で済みコストも安くなることがありますし、もっと極端な例を挙げれば、最初からすべてを復代理人に任せるつもりで代理人になることもあります。
このように、復代理人を選任したからといってもともとの代理人の代理権が消えることはなく両者は本人の利益という共通の目的のために併存することになります。

4.復代理人にはどんな権限があるの?

復代理人の権限は、代理人によって選任されたときに与えられた範囲内であることになります。ただし、代理人が与えることができる権限は、その代理人が持っている権限の範囲内に限られることには注意が必要です。
つまり、代理人は買主を探すことを依頼されたにもかかわらず復代理人に不動産の賃借人を探すように依頼することは出来ないということになります。
結局復代理人は、代理人がするべき任務の全部または一部分を代行しているにすぎないということです。
なお、復代理人がその任務を全うしたときに復代理人の権限が消滅するのは当たり前ですが、代理人自らが復代理人を選任したにもかかわらず元々の任務を全うしたときにも復代理人の権限が消滅してしまうことになります。

皆さん、如何でしたか。今回は復代理権の意義、代理権との異同などを簡単な事例を通じてご紹介させていただきましたが、単に理屈っぽい話に留まらず、このような構造を身近なものとして少しでも感じていただけたら幸いに思います。

(作成者 前川 達也)