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2011年02月15日 民法入門54「他人の敷地を使うことができる権利」

地役権全般 -民法入門54-
「他人の敷地を使うことができる権利」
 
 
 今回は「地役権」についてお話したいと思います。皆さんは「地役権」と聞いてピンときますでしょうか?
 
あまり「地役権」という名前すら耳にしたことがない方が多いと思いますが、
実は実生活を送る上で結構目にすることが多い権利の一つなのです。
 
「地役権」とは「自分の利益のため」に「他人の土地を使う権利」です。
要するに、他人の敷地を使うことができる権利なのです。
 
例えば、Aさんがある土地を買ってその土地に家を建てようとしました。
 
しかし、その土地は奥まった場所にあり、道路に接していませんでした。
いざ家を建てようと思っても、建物を建てるためには道路(公道)に2m以上接していないといけない
という規定がありますので、このままではAさんは土地を手にしたものの家を建てることができません。
 
Aさんがこの土地に家を建てる手立てはないのでしょうか。
 
そこで登場するのが「地役権」です。
具体的に説明しますと、この場合は道路に面しているBさんの敷地(Aさんのお隣の土地)を
利用させてもらうことによって、道路への出入りを確保し、Aさんは家を建てることができることになります。
 
つまり、「自分の利益=Aさんが土地に家を建てること」のために
「他人の土地を使うこと=Bさんの土地を使わせてもらうこと」の権利なのです。
 
地役権は要役地(Aさんが使わせてもらう敷地)のために設定される権利であるから、
承役地(Bさんの敷地)は負担を受けることとなります。
 
このことから、地役権には次のような性質があります。
それは、地役権の付従性です。これは要役地の所有権が移転すれば地役権も移転し、
要役地に地上権など他の権利が設定されれば地役権もその権利の目的となります。
 
地役権は物権の一部であるので、主に要役地の所有者(Aさん)と承役地の所有者(Bさん)
の設定契約によって設定することが出来るほか遺言などによっても設定することが出来ます。
 
また、地役権の設定に対して対価(地代)の支払いが合意された場合には、
その合意をした地役権者は地代支払いの義務を負うことになります。
 
よってBさんがAさんに対し、この土地の使用料として月づきいくら支払うように言ったら、
Aさんは支払わなくてはなりません。
 
地役権の消滅時効としては物件一般の消滅原因時効と同じですが、
それ以外にも地役権の存続期間の満了や固有の消滅原因により消滅するが、
時効については特別な規定が置かれています。
 
地役権は20年間の不行使により消滅するが、その起算点はその行使を妨げる事実が生じたとき
(道路が壊されたことにより通行が不可能になったなど)からになります。
 
今回はAさんが家を建てるために地役権を行使するという事例について話しましたが、
他人の土地を駐車場で貸してもらう契約など他にも様々な使い方があります。
 
(作成者 時田和弥)