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2017年11月15日 種類株式の設計について

はじめに

 会社法が施行されて以降、その設計方法の自由度が増したこともあり、

種類株式による募集株式の発行が非常に増えてまいりました。

 特にシードステージ又はアーリステージの株式会社が種類株式を利

用して資金調達をされるところもありますのでかなり一般的な資金調

達の手法になってきたのではないでしょうか。

 弊所でお手伝いさせて頂いたお手続きを見ましても種類株式の内容

についてはさまざまなものがございました。

 そこで今回は、種類株式についてさわりの部分だけですが書いてみ

ました。

 

種類株式とは

 ここでは、これを用いて募集株式の発行をすることを前提にお話さ

せて頂きますので、会社法第108条に記載されたことを内容とする

株式のこといいます。なお、同法108条に定める株式を発行された

後はこの種類株式との関係で、特に株式の内容を定めない株式のこと

を普通株式と言ったりします。

 そして、会社法108条では種類株式を発行するためには定款で

同法第1項に記載された内容を定める必要があります。

 従いまして、初めて種類株式を発行する場合には、株主総会を開

催して種類株式の発行決議をする必要が出てまいります。

 なお、2回、3回と異種類の株式を発行する場合、種類株主で構

成する種類株主総会の要否に注意が必要です。

 

種類株式の内容について

 先ほど、会社法108条第1項で記載された内容を定める必要が

あると述べましたが、種類株式の内容については条文で法定されて

おります。

 従いまして、種類株式といえるためには条文に即した内容を定款

に記載していかなければなりません。

 条文上は、①剰余金の配当、②残余財産の分配、③株主総会での

議決権を行使できる事項について等々、株式ごとに条文で定められ

た内容を組み合わせて種類株式を設計していくことになります。

 そして、条文に即しない内容については、種類株式の内容とは言

えず、募集株式の発行により投資を受ける際、投資家との間で締結

する投資契約の内容として定めていくことになります。たとえば、

株式の譲渡に関する条項や撤退する時に関する事項は株式の内容

とはならず、契約で定めていくことになります。

 種類株式の内容は法定されていることから、法律に準拠した形

で設計すれば、その内容は登記され、第三者に対しても主張して

いくことができます。

 一方で、投資契約として定めた内容は、契約当事者間限りの

相対的な効力しかなく、株式譲渡等した場合は改めて譲受人との

間で契約の内容を定めなおす必要がでてまいりますので効力の

違いに気を付ける必要があるかと考えます。

 しかし、前回お話ししましたように、会社の株主との間で

株主間契約を締結する例もございますので、新しい株主が増え

る都度株主間契約を変更していく例もありますので、このよう

に契約で拘束すれば違いがないこともあるかと考えられます。

 

おわりに

 次回以降、種類株式の具体的な内容について触れていきたい

と思いますが、種類株式を利用することにより投資家は投資

契約と相まって投資上のリスクを軽減することができる一方

で、投資家に一方的に有利な種類株式の内容としてしまいま

すと、発行後の会社運営にとり何をするにも当該種類株主の

了承を採っていかなくてはならないこともあり、事業上の機

会を逸することとなりかねませんので、その設計には慎重な

対応が必要といえそうです。