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権利の窓

2006年02月01日 民法入門8 「山田先生の事件簿 其の二」

権利の主体(1)自然人 不在者制度 ―民法入門8―
「山田先生の事件簿 其の二」

山田 「今日は雨か・・・」
雨はうっとうしいものである。山田は只今、神戸の山奥に在住のお客さん宅へ向かっている。
(電車で)
車内はかなり混雑しており左手で吊革、右手で傘、といった具合だ。そんな状況のもと携帯が車内に鳴り響いた。乗客は迷惑そうにその携帯の主を捜している。
山田は願った。私の携帯ではありませんように、と・・・・
しかしその着信音は軍艦マーチであり、紛れもなく山田が発している雑音だった。
山田 「はい、山田」
中畑 「あーどーもー。ビクトリー不動産の中畑です。あとワンコールで切ろうおもてたとこに、先生、でてくれはってどーもーです。」
山田 「今、電車」
中畑 「すぐ終わりますんで・・実は、近々不動産売買の契約をするんですわー。物件がね、売主A及びBの共有名義で、そのうち、Aが行方不明の音信不通。全く連絡とれずですわー。ただね、先生。BがAの弟で身内やから、何か問題があっても買い主さんに迷惑をかけないから、なんとか契約してくれ。と言うんですわー。
そんなに責任持つ言うてはるから、とりあえず、契約結ぼかなとおもてるけど、問題無いですやろ?先生。」
山田 「ダメ」
中畑 「え?先生、声ちっこいわー」
山田 「ダメ。電車の中」
中畑 「そこをなんとか、たのんますー。」
山田は非常に焦っていた。周囲の目が自分に
一点集中している。しかも電車は特急。そう簡単には降りれない。
諦めた。とことんその話、付き合おうやんか、と・・・
山田 「売主の一人が不在者やね。それやったら、この取引に利害関係のある人、例えば売主Bが、家庭裁判所に対して、不在者財産管理人の選任を申し立てんといかんわな。」
中畑 「fuzaisya zaisann kannrininn ???」
山田 「そうや。その選任された不在者財産管理人が、いわば、不在者の代理人となって、今回のような売買契約を締結する、といったような法律行為を行う。ただし、各々の法律行為毎に家庭裁判所から許可をもらって、手続きをおこなうんやでー。 簡単に言うと。」
中畑 「えー。何か大変そうや。その手続きは時間かかんの?」
山田 「もちろんや。不在者財産管理人の選任申し立てで、最低でも2~3ヶ月はかかるって聞いたことあるわー。それから、売買契約をするんやったら、その契約を不在者財産管理人がしてもいいよ、という許可を貰うにもまた、日数を要するわ。まあ、ケース・バイ・ケースやけど。」
中畑 「そしたら先生、仮にね、*******やったら、
————————-どうなんの?」
山田 「え?声ちっちゃいわ。あっ電波が・・・切・・れ・・る・・か・も・・・・・・」
ツー・ツー・ツー・

(次回に続きます)

(作成者 岩間 巨敏)