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権利の窓

2010年03月29日 民法入門51 「持ち主は誰?」

所有権総説 性質・内容・範囲・相隣関係  ―民法入門51―
「持ち主は誰?」

皆さんこんにちは。前回までの占有権はいかがでしたか?
今回は、皆さんもきっと耳にしたことがあるでしょう、「所有権」についてお話します。

1、所有権とその制限

もし、お子さんに「所有権って何?」と聞かれたら、皆さんはなんとお答えするでしょうか?
“物を完全に支配できる権利のこと”というのが一般的ではないでしょうか。
もちろん正解です。しかし、所有権は実はもっと奥が深いのです。
法律的には、所有する者(所有者)が「法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする」権利となっていて、一見、そのままだと感じる方が多いのではないでしょうか。しかし“法令の制限内において”という所がミソで、そこにはいろいろな制限がされています。公共の福祉に反するような行為は許されないし、所有権の行使が権利の濫用となってしまうこともあります。また、土地に関しては相隣関係といって、隣の土地同士は何らかの協力をしなければならないし、場合によっては、自分の土地を隣人が通行することも認めなければならないこともあります。その上、地下鉄や地下ケーブルを通す場合、個人の所有権よりも公益が優先される事もあります。
この他にも、所有権は環境や保安、衛生等の理由からさまざまな法律によってその行使を制限されています。

2、所有権の範囲

様々なものに所有権があり、所有者がいます。車や本、土地・建物に関しても所有者はいます。小学生のころ、消しゴムの裏に名前を書いた経験はありませんか。私は母に靴下の裏にまで名前を書かれて、すごく上履きを脱ぐのが恥ずかしかった覚えがあります。その様に名前が書けるものは所有者が誰なのかすごく分かりやすいと思いますが、名前が書けない物の所有者はどの様にすればよいのでしょうか。
例えば土地です。土地はぱっと見で誰のものだかすぐに判断がつきません。そのため、土地や建物に対しては登記という形で所有者が誰であるかを目に見えるようにしてあります。
登記の内容は管轄の法務局で確認することができ、その中には所有者だけでなく、土地の所在や面積、抵当権が設定されているかなど、様々な情報が載せられています。それにより、どこのどれくらいの面積の土地が誰のものかがはっきりするわけです。

3、相続関係

所有権は、法令の範囲内であれば誰にも侵されることのない強い権利であり、財産です。
そして、それは勝手に消滅することはありません。所有者が亡くなったときには相続という形で、子供や孫、親兄弟などに引き継がれます。
しかし、ただ引き継がれるのではなく、それなりの手順を踏まなければなりません。
故人の財産は、相続人全員の共有財産となりますので、遺産分割協議(相続人の話合い)を終えるまでは勝手に処分することができなくなります。勝手に手をつけてしまうと、後で遺産分割協議の際のトラブルになりますので、死後の財産の扱いは慎重にしなければなりません。
また、相続は亡くなられた方の権利義務を相続人が承継し、土地や建物については、登記によって第三者に自分が所有者であることを示すことが出来ます。

以上、所有権の概要をお話しました。次回は、その大事な所有権をどの様に取得するのかをお話します。

(作成者 長崎 沙織)