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2010年06月03日 民法入門52 「どうしたら手に入るの?」

所有権の取得 ―民法入門52―
「どうしたら手に入るの?」

皆さんこんにちは。
前回の「所有権」についてはご理解頂けましたでしょうか。
さて、今回はその所有権の取得についてお話いたします。
所有権の取得の種類は大きく分けて2種類あります。

●承継取得 ・売買
・贈与
・相続      など。

● 原始取得 ・無主物先占
・遺失物取得
・埋蔵物発見   など。

1 承継取得

承継取得とは、他人の物権がその同一性を保ったまま移転することをいいます。よって、前主が負担した権利なども後主はそのまま継承することになります。
 承継取得の中にも、2つの種類があり、売買のように特定の物権を個別的に継承する特定承継と、相続のように前主の権利・義務が後主(相続人)に包括的に移転する包括承継があります。

 1) 売買
単純に売り買いのことです。売る側と買う側の意思の合致によって、法的な契約が交わされ、買う側には代金を支払う義務と品物をもらう権利が生まれ、売る側には品物を渡す義務と代金をもらう権利が生まれます。

 2) 贈与
贈与も、売買と同様に、意思の合致によって法的な契約が交わされますが、お金と交換ではなく、相手に無償であげてしまう事です。
但し、土地や建物などを贈与する場合など、相手からは無償でもらえても、贈与する額によっては贈与税という税金がかかってきます。

 3) 相続
所有者が亡くなった時に、その方の権利・義務は基本的に配偶者や子、親兄弟などの相続人に移転されます。財産はもちろん、負債も全てです。
相続に関しては、契約が交わされるものではなく、当たり前に移転されるべきものなので、もし負債が多い場合や、事情があって相続したくない場合には、裁判所に相続放棄を申し出ることが出来ます。
また、当たり前に移転されるといっても、役所への届出や金融機関への報告、登記など、一定の手続きを必要とする場合もあります。

2 原始取得

 原始取得とは、前主の権利に基づかないで全く新しく物権を取得することをいいます。よって、前主の権利は消滅します。
 原始取得は大きく分けて、無主物の先占、遺失物の取得、時効取得の3つに分けられます。これらは、物の所有者が存在しない場合や不明な場合に所有者を決定します。

1) 無主物の先占
道に落ちている綺麗な石ころや、セミの抜け殻。幼いころよく拾って遊びましたね。これら(無主物)は、拾った人が、「自分のもの」と決めたらその拾った人の所有物となります。

2) 遺失物・埋蔵物の拾得
拾ったものは適正に届け出て、6ヶ月しても持ち主が見つからなければ自分の物となるということです。但し、盗品などは含まれません。
また、埋蔵物に関しては、拾った人と、埋まっていた土地の持ち主とで等しく分けなければなりません。

3) 時効取得
10年間、他人のものと知らずに、自分のものとして平穏にかつ公然と他人のものを所有していた場合、その所有権を得ることが出来ます。
また、他人のものと知っていても、20年間自分のものとして平穏にかつ公然と所有していた場合、その所有権を得ることが出来ます。

原始取得は、厳密にはもっと種類がありますが、これらのように、人対人の契約(売買や贈与)がなく、ものの所有権を取得することのことをいいます。

以上が一般的に所有権を取得する方法です。
 

(作成者 長崎 沙織)