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権利の窓

2010年12月02日 民法入門53「マンションの権利関係」

建物の区分所有 -民法入門53-
 「マンションの権利関係」
 
みなさんこんにちは。
前回は、所有権の取得についてみてきました。
今回は所有権の中でもちょっと特殊な建物の区分所有についてみていきたいと思います。
 

1.区分所有って?

みなさんの中には、現在マンションに住んでいる方、マンションの購入を考えている方もいらっしゃるかと思います。
 
区分所有とは、民法の一物一権主義(所有権は一つの独立したものに成立し、物の一部を対象とするものは存在しない)の例外として成立したものであり、マンション等に適用されるのが区分所有法です。
 
区分所有の対象である区分所有建物とは、マンションやビルのように、一連の建物が二つ以上の部屋に区切られて、その部屋が別々の所有権の対象となっている建物各部屋のことをいいます。
 
分譲マンションはそのひとつですが、見かけは分譲マンションと同じでも、賃貸マンションのように1人の所有者が建物全体を所有している場合は、区分所有建物とはいいません。
 
しかしこうした建物も、建物全体の所有者以外の人が所有する住戸が1戸でもあれば区分所有建物となり、区分所有法の適用を受けることになります。
 
区分所有建物の一つの特長は、住戸の他に共用の玄関や廊下、機械設備など、居住者が共同で使用する共用部分があることです。
 

2.区分所有権の範囲

いわゆる土地および一軒家を購入したのであれば、その土地建物の持ち主が誰のものでどこまで所有権が及ぶのかはわかりやすいと思います。
 
では、例えば分譲マンションの一室を購入した場合、その所有権はどこまで及ぶのでしょうか。
マンションの一室を買ったのに、廊下や階段を使えないなんてことになったら困ってしまいますよね。
 
建物の区分所有は、建物の一部(専有部分)と、廊下や階段等、区分所有が共同で使用する部分(共有部分)、それから建物の存在する敷地の利用権の三つから構成されています。
 
区分所有法では占有部分に対する区分所有権と敷地利用権を一体化し、両者を別々に処分することを原則的に禁じています。マンションの一室などの専有部分を譲渡すれば、それに伴って当然に敷地利用権も移転します。
上記の例でいうと、分譲マンションの一室を購入した場合、専有部分には区分所有権、共有部分には共有持分権、敷地には敷地利用権という権利を取得したことになります。
 
共有持分には、法定共有部分と規約共有部分に分類されます。
 
法定共有部分とは「数個の専有部分に通ずる廊下又は階段室その他構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分」として定義されており廊下、エレベーター等がそれにあたります。
 
規約共有部分とは規約により区分所有権の対象となりうる建物の部分、すなわち専有部分及び通常の所有権の対象となりうる付属物の建物を共用部分としたもので管理人室・集会室等を対象とできますが、その旨を登記しなければ第三者には対抗できません。
 
敷地にも法定敷地と規約敷地があり、庭や通路、広場、駐車場やテニスコートなどを規約敷地にできます。マンションを購入する際には、どのような敷地権がついているのかにも注目してみるといいかと思います。
 

3.共有部分の注意点

区分建物の共有部分の処分などについては注意が必要です。
民法上の共有とは少し異なるからです。民法上の共有との主な違いとして、区分建物の共有部分の「共有」においては、
 
①共有部分のみを処分することはできない
②共有物の分割請求はできない
③共有物の管理行為は区分所有者及び議決権の各過半数による集会の決議で決する必要がある
④共有物の変更行為は区分所有者及び議決権の各4分の3以上による集会の決議で決する必要がある
 
ちなみに管理行為のうち、利用行為とは例えば駐車場を賃貸して賃料を得る行為であり、
改良行為とは例えば廊下や階段に電灯を設置するなどの行為です。
また、変更行為とは共有部分を改築するといった物理的に変化を伴う行為です。
 
管理といえば、管理費の支払いを怠っている区分所有者が専有部分を譲渡した場合は、旧区分所有者に対しても新区分所有者に対しても請求できますので、区分建物の購入を考えている方はご注意を。
 

(作成者 石川宗徳)