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権利の窓

2021年08月02日 株式交付制度について

本日は、令和元年会社法改正により登場した新制度であります、株式交付制度についてお話いたします。

今もこの記事を書くにあたり、インターネットで株式交付制度について検索をしてみたところでありますが、手続き中の会社がかなりの数でてまいりました。令和元年会社法改正が施行されたのが本年3月1日ですから、たった5か月ほどの間でこの事例の数々には驚かされます。現場で待ち望まれた制度なのでしょうか。

まずはこの新しい株式交付制度でありますが、どういう制度かと申しますと、甲という株式会社が他の株式会社乙を子会社とするために、乙の株主より株式を譲り受け、当該株式の譲受人に対して当該株式の対価として甲の株式を交付する制度になります。

これにより甲は乙を子会社とすることになります。

こちらの制度は、従来でありましたら、現金がなければ難しかったところ、自社の株式を対価として子会社化を実現することができる点に大きなメリットがあります。

対象となる株式会社がオーナー企業であり、非公開会社でありましたら、この制度を上場会社との間で行うとなりますと、オーナー自身は自身の保有する非公開会社株式と引き換えに流通性の高い上場会社株式の交付を受けることができ、事業承継の手段としても利用可能でしょうし、ベンチャー企業が有力上場企業の傘下にひとまず入ってノウハウを学び、マーケットを開拓していくなどして企業価値を高めていくということもできるかと考えます。買収する側としても手元資金が不足しており資金調達の難しい場面において、ベストなタイミングで買収が可能となるというメリットがあります。

なお、こちらの制度は、特例有限会社が親会社となるような場合には利用ができませんし、外国法人は対象外となりますのでご注意ください。

また、すでにある程度の対象会社株式を保有されている株式会社が当該株式を買増すために本制度をご利用することはできません。

今回、本制度が創設されたことで組織再編の手法が増えたことになりますが、対価をいかにするか、手元資金の有無の他に、対象会社株式をすべて取得して完全子会社とするか否かも手続き選択のポイントになります。

対象会社株式をすべて取得して完全子会社化するためには株式交付制度を利用することはできず、株式交換制度を利用頂くことになります。

逆に、株式の取得が過半数に至らない場合は、株式交換制度・株式交付制度いずれも利用できません。

最後にお手続きでありますが、こちらは前記した通り、組織再編の一手法と位置付けられますので、他の組織再編行為とお手続きの進め方は一緒になります。

この機会に、是非ご利用を検討されてみては如何でしょうか。