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権利の窓

2021年09月06日 少数株主

 

以前の話になりますが、弁護士の先生が書かれた「少数株主」

という小説を読みました。

「少数株主」とは会計の用語では、連結決算における親会社

以外の株主のことを言うようですが、この少数株主の方々が、

時折、会社法上会計帳簿の閲覧ができたり、株主代表訴訟が

できたりするものですから、創業者をはじめ大株主としては

会社の安定経営を害されてしまいかねないことがあります。

法律に関係する仕事をしておりますと、嫌がらせのようなこ

とをしてくる少数株主についてご相談事を頂くことがありま

す。

この時、大株主をはじめ経営者側としては、少数株主を何と

かしたいと当然考えるわけです。

まず最初は少数株主に対して株式を譲り渡して欲しいと交渉

することになるかと考えます。

そして、交渉のテーブルに少数株主が出てこない時に、少数

株主の合意を得ずとも株式を買い取る制度を利用する必要が

生じ、会社法にはいくつかこれに関する制度が用意されて

おります。

たとえば、大株主が会社の株式を90%以上持っていれば、

他の株主から株式を買い取ることができる「特別支配株主

の株式等売渡請求制度」があります。

もうひとつ申しますと、10株を1株にまとめる株式併合

制度なども用意されております。

株式併合制度を利用すると少数株主の株式を1株未満の端数

株式にして裁判所の許可を得ることで売却することができて

しまいます。

ほかにもいくつか制度はありますが、いずれにしましても

少数株主との関係は最後はお金で解決することになります。

このような制度を利用する当事者の関係ですから、買取価格

については交渉が難航することが予想され、裁判所を利用し

価格を決定することもあります。

そして、裁判所は少数株主にとって有利な金額を算定する

可能性があります。

会社としては事業が発展している証左といえ、良いことでも

あるのですが、要は現金が無いと株式を買い取ることは適わ

ないということになります。

冒頭ご案内した小説の「少数株主」はこのあたりのことが

学べる小説です。

今までは中小企業においては株式は流動性が無く、少数株主

は株式を持ったままとなっておりましたが、持っている株式

が高額な現金に変わるなんてわかったらはたして、引き続き

会社を静観していただけるとは限りません。

中小企業においても上場企業と同じく、今後は株主との

コミュニケーションの場が求められてくることになる気がい

たします。

株式を買い取れないため、全く知らない方が株主として現れ

るなんてなりましたら、怖いことです。

お心当たりのある会社様がいらっしゃいましたら、株主対応

のためまず最初に会社法に則った総会運営を始めてみてはと

思います。