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2021年10月13日 所在不明株主に関する会社法の特例

 

本日は、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法

律」(以下、「経営承継円滑化法」といいます。)について、

令和382日施行の「産業競争力強化法等の一部を改正

する等の法律」に伴う経営承継円滑化法の改正により、

所在不明株主に関する会社法の特例の前提となる認定が

新設されましたのでそのお話をしたいと思います。

その前にまずは、会社法の原則論をお話ししますと、

株式会社においては株主名簿の作成が義務付けられ、

会社はこの株主名簿を見て株主に対して招集通知等

の連絡ごとをいたします。

ところが、株主のご相続・度重なる引っ越しなどにより、

現在の株主と連絡が取れなくなることがあります。

このように連絡の取れなくなった株主のことを所在不明

株主と言ったりします。

所在株主に対して会社が通知・催告をしても5年以上

継続して到達してない場合、会社は当該株主に対して通知

や催告をする必要が無くなります。

そして、以後、所在不明株主に対する会社の義務履行地は

株式会社の本店ということになります。

そして所在不明株主の株式は競売・売却することが可能と

なり、非公開会社においては裁判所の許可を得ることで、

競売以外の方法により株式の売却が可能となります。

なお、株券発行会社においては本制度を利用する前に

株券廃止手続きを進めておくことその後のお手続きが

スムーズになります。

本制度があることで所在不明株主問題は解消されスムーズ

な事業承継が可能になるとされております。

ただ、所在不明株主といえるためには通知・催告が5年以上

届かないということが要件となりますが、これでは経営承継

円滑化法の適用期間を過ぎてしまう可能性があります。

そこで、経営承継円滑化法にもとづく認定を受けることを

要件に、この期間が5年から1年へと短くなります。

これによりまして、所在不明株主問題解消に一定の効果が

あるものと期待されております。

事業承継をご検討のオーナー様におかれましてはご検討の

価値はあると思いますので、お心当たりのあるオーナー様

におかれましては本制度をご利用をご検討ください。