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2021年11月29日 登記の添付書面にハンコがいらない?

今回は、今年、会社法・商業登記実務についてたくさんの改正・実務の変更がありました。

その中で、個人的にではありますが、最も大きかった変更点と考える、押印規定の見直しについてお話をしたいと思います。

今年の2月15日より登記の実務が大きく変わり、会社・法人の設立登記の際に今まで必ず必要であった印鑑届が選択制になったことから始まり、昨年より、マスコミでも大きく取り上げられた所謂「脱ハンコ」の影響もあり、「株主リスト」や「資本金の額の計上に関する証明書」等、法令上、押印又は印鑑証明書の添付を要する旨の規定が無い書面については、押印の有無について審査を要しないものとされました。

これによりまして、法務局としては押印の有無を審査しませんので、印鑑の捺印されてない書面でも書面に記載された情報だけを読み取って登記の処理をして頂けることになりました。

ただ、この変更以前より、会社法施行時より株主総会議事録の署名義務がなくなったこともあり、株主総会議事録に関しましては印鑑の捺印が無くても登記の処理はして頂けてましたので、こちらの取扱いが他の書面に拡大されたものともいえます。

こうなってきますと、逆に印鑑の捺印がされてないと登記の処理が進まない書面にどのような書面があるのかが重要となってまいりますが、押印が必要となります書面の代表的なものは次のとおりです。

1.取締役会議事録

2.新任代表取締役の就任承諾書

3.取締役会非設置会社の新任取締役の就任承諾書

4.法務局に実印を登録されている代表取締役の辞任届

等が代表的な書面となっております。

また、解釈上捺印を要する書面とされているものに、取締役会非設置会社における取締役の過半数の一致があったことを証する書面についても取締役会議事録の扱いに準じて、取締役の署名又は記名押印を要するものとされております。

さらに、印鑑の要否について判断の迷うと考えられる書面として、①取締役会設置会社の取締役の就任承諾書や、②監査役の就任承諾書、➂合併や会社分割をはじめとした組織再編行為の際に作成される合併契約書や新設分割計画書などは印鑑の押印が必要なくなりました。

主だった点は以上となっております。

登記制度を利用される利用者からしますと以上の取扱いにより登記申請の利便性は向上したものといえますが、一方で、本人の意思に基づかないで取締役や監査役などの役員として登記されることも可能となります。

そのため、後日のトラブルを無くすためにも、登記実務上必要なくなったとはいえ、書面上に印鑑または自署いただく重要性がなくなったわけではありませんので、書面の内容によっては以前と同じお取扱いをされたほうが望ましい書面もありますので注意が必要といえます。